ヴュータンのヴィオラとピアノのための作品集

ブックオフで購入。250円

 

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ヴィオラ:ロベルト・ディアス

ピアノ:ロバート・ケーニッグ

 

ヴィオラ・ソナタ 変ロ長調 Op.36

・悲歌 Op.30

ヴィオラ独奏のためのカプリッチョ Op.Post

・夜(ダヴィッド作、ヴュータン偏)

ヴィオラとピアノのための未完成ソナタ Op.Post

 

アンリ・ヴュータンはフランスで活躍したベルギー人のヴァイオリニスト・作曲家だ。

ヴュータンについては、名前だけは知っていた。新潮文庫から出ている船山隆著のマーラーという書に、マーラー自身のピアノ伴奏とハンス・ゲルストナーのヴァイオリンでヴュータンの作品を演奏したと書かれていたからだ。

まあ、どのような人なんかは何も知らなかったけどね。本当に名前と、マーラーが演奏したことのある人ということしか知らなかった。

少年時代は神童と呼ばれていたらしい。また、シューマンと親交があり、シューマンだけでなく、ベルリオーズパガニーニなどからも評価されたほどの腕前だったようだ。

 

ヴィオラ・ソナタ 変ロ長調 Op.36は親しみやすい標題に、甘ったるいメロディで始まる曲だ。しかし優れたヴァイオリン奏者が作った曲にしてはあっさりした曲だ。美しいメロディが売ったりと流れていく曲なのだが、うまい人にありがちなピロピロしたフレーズや、ギュワワ~ンとしたフレーズがほとんど無い。

 

 悲歌と ヴィオラ独奏のためのカプリッチョ 。悲歌って書くよりエレジーと書くほうがわかりやすい。この曲等はヴィオラ小品集の常連らしい。

ヴィオラ独奏のためのカプリッチョも、無伴奏曲にありがちな難しさがないね。聞きやすい。なんか水あめを練っているみたいと言うのか 、ゴムを引っ張ってるって感じと言うのか・・・・。結構ねちっこい曲。

 

 

このCDに収められている曲はすべて聞きやすい曲だ。クラシックに興味の無い人にでも難しさを感じされないことだろう。ヒンデミットの影響でヴィオラソナタ=ちょっと難しい曲といった先入観があったけど、本来は決してそうではなかったんだな。

 

個人的には同じヴィオラソナタなら、今回のヴュータンより、以前記事で書いたクラークのソナタのほうが好みなんですけどね。ヴュータンの曲のあっさりした感と甘い匂いがそんなに繰り返して聞きたいとは感じさせなかった。