ミラノ・スカラ座のブーニン②

前回の続き。

 

CD2

ショパン

・ワルツ 第1番~第14番

ドビュッシー

トッカータ ”ピアノのために”より

・月の光り ”ベルガマスク”組曲より

 

ワルツは、以前からイメージしていた通りのショパンって感じだ。簡単そうな曲で聞き流してしまうけど実は、ピロピロと難しいことをしている。

1番2番といかにもワルツっぽい曲のあとに、暗く、まったく踊れそうも無い3番が流れたときは驚いた。これもワルツなの?

ワルツというとダンスのための曲と言う認識だったが、ショパンのワルツには、これでどうやって踊るんじゃ?ってな感じのものが結構ある。

どうやらショパンのワルツには、普通の踊るための”ワルツ”と、ワルツの形式だけを借りた踊るためでない”ワルツ”があるようだ。

 

ワルツ第6番は子犬のワルツと呼ばれており、私も名前は知っていた。聞いてみると、聞き覚えはあるが、かわいい名前の割りに難しそうな曲だった。これはもともとのテンポなのか、それともブーニンが速く弾いているのか?

 

個性がはっきりとしている前半に対して後半は1曲が短く、同じような曲が続くので少々辛かった。

 

私はショパンが特別好きではないと以前書いたが、不思議とこのCDはすんなり聞き通せた。おそらくこれは、ブーニンの弾くピアノの音が私の好みであったからだろう。ぼやけた音は無く、はっきりした音で奏でられる音はショパンの甘ったるいイメージを払拭させてくれる。

 

このCDのおかげでショパンに対するイメージも変わったので、何枚か他のCDにも手を出したが、今のところ、聞き返すのはこのCDだけだ。

ショパンが大丈夫になったというより、ブーニンの音が好きだと言うことなのだろう。