サティの家具の音楽
リサイクルショップで購入。100円。
エリック・サティ 家具の音楽
指揮:マリウス・コンスタン
演奏:アルス・ノヴァ合奏団
トランペット:ピエール・ティボー、ベルナール・ジャヌト
ピアノ:ミシェル・ダルベルト
1 バレエ〈本日休演〉の幕間”映画”のための音楽
2 猿の王様を目覚めさせるためのファンファーレ
3 家具の音楽 県知事の私室の壁紙
5 家具の音楽 音のタイル張り舗道
6 ヴェグサシオン
変なタイトルばかりだ。サティはこういったタイトルをよく付けていたみたい。サティっていったらジムノペディが有名だね。つーかこれしか知らんけど。癒し系の音楽の先駆けとか呼ばれているのは知っていたので、今回のCDに収録されている曲もそういった感じなのかなと思っていたけど、全然癒されない曲ばかりでした。
1曲目の バレエ〈本日休演〉の幕間”映画”のための音楽は、めんどくさいタイトルだけど、要は自分が音楽を担当した” 本日休演”と言うバレエの休憩時間の間に上映する”幕間”というタイトルの映画のための音楽と言うことだ。
この映画はサティ自身も出演している。
Erik Satie/René Clair: Entr'Acte (1924) - YouTube
最初に出てくる爺がサティ本人らしい。
映画の内容は意味がわからん。サティが好きだ、もしくは監督のルネ・クレールが好きだと言う人しか見ないほうがいいと思う。
映画の本編で使われた曲と、今回のCDではテンポや構成が少し異なるようだ。何度も主題を繰り返す感じの曲で、後のミニマルミュージックにも通じているとライナーノーツには書かれているけど、そんなにミニマルミュージックな感じはしない。とりあえずやたら繰り返される主題が耳に残ってしょうがない。映画を見ながらこの主題を聞くとシュールどころかイライラしてくる。映画だとテンポを下げたりしているけど、CDだと一定なのでまだ聴きやすいほうかな。
2曲目の 猿の王様を目覚めさせるためのファンファーレは65秒しかない曲なのであっという間に終わる。
3曲目からの家具の音楽と題された3曲は、元祖BGMとして作られた曲らしい。サティが食事をしているときに流れていた曲が雰囲気にあっていなかったらしく、それに憤怒したサティが場に合った音楽、家具のように馴染み、場の騒音を和らげる曲が必要だと考え作られたのがこれらの曲だ。
県知事の私室の壁紙はいかにもミニマルミュージックって感じの繰り返しの曲。 幕間”映画”のための音楽に雰囲気が似ている。 錬鉄のタペストリーは(招待客の到着の際に。大きなレセプションの場合は、玄関ロビーで演奏される)とわざわざ、どの場合に演奏すべきなのかと注意書きまである。これも繰り返しの曲。県知事よりも上品で私は好きだ。 音のタイル張り舗道 にも(昼食のときに演奏する)と書かれている。雰囲気は錬鉄のタペストリーとそっくり。
3曲とも結構単純で短いフレーズを繰り返すだけの音楽。この曲らは本来は聞くための音楽でなく、聞き流してもらうための音楽なのだが、初演のときはサティの願いむなしく、むしろ傾聴されてしまったというオチまで付いている。
ヴェグサシオンも繰り返しの音楽。ピアノの独奏で1分ほどの長さのフレーズから構成されている。CDでは9分ほどなのだが、本来はフレーズを840回繰り返すこととされているので、18時間ほどかかるらしい。私は覚えていないけどトリビアの泉で実際演奏したとか。ちなみに曲名の意味はいらだちとかいやがらせとか、そんな感じらしい。まあおもしろい曲ではない。9分くらいでも聞くのがきつい。